『憲法九条を世界遺産に』から考えたこと

太田光・中沢新一『憲法九条を世界遺産に』集英社新書 2006を読んで、あれこれ考えることがあります。 ◆「平和」をめぐる思想の幅広さと、そこから来る「危険性」  太田と中沢が宮沢賢治について議論しています。ポイントとしては賢治が国柱会に入っていたことです。そのことに彼らはふれて、賢治が戦争を否定しながら、それでも日本の侵…
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再び載国煇から

『台湾と台湾人』研文社、1979年より 第4章「植民地体制と知識人」より  「・・・日本帝国から強いられた中国大陸との切断策の効果をより一層加乗させた。。そのために過去の局面で、中国の国民国家形成への「近代」的志向とは、かなりの断絶を余儀なくされ、現在の局面においては、価値の転換以前の価値の移行(もしくは回帰)の家庭をより複…
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載国煇『台湾と台湾人』を読んで考える

今日は夕方から読書三昧。載国煇『台湾と台湾人』を読み進める。光復後の台湾独立運動に日本の植民地支配が深く影を落としていることを再認識させられました。著者によると半世紀に及ぶ日本の台湾における植民地支配は、当人たちの好き嫌いは別としても日本社会の価値観が台湾人たちの中に骨の髄までしみわたっていたという。まあ、2.28事件(本省人の、国民党…
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糞リアリズム

糞リアリズム論争ーー。台湾において戦争まっただ中に(1943年)、文壇でたたかわされた論争です。  西川満というファシズム作家が、「戦争に協力しなくてはいけないときに、人々の苦しみなんて書くことはだめだ。そもそもリアリズムなんていう潮流は西洋のものだから、帝国にはあわない。むしろ、今や曲げるのは現実の方だ」なんていう論説を発表し…
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愛国心の歴史

 教育基本法改定問題によせて「市民社会フォーラム」に寄せた評論を再録いたします ====================================== 「愛国心」なるイデオロギーの歴史  教育基本法の改定が審議されています。与党案、民主党案双方に愛国心が盛り込まれています。  いくつかのレベルでこの問題を考…
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実感の現実性ーー池田浩士を手がかりに

歴史教育 「実感の現実性」との対決 僕自身の研究対象が植民地支配なので、かつてとんでもない帝国主義国だった日本(今も政府がそのことに反省しているとは言えませんが)の現在の歴史教育についても関心があります。 そして日本とかなり似た歴史経験をもっているのがドイツですが、そのドイツの教育実践について。 池田浩士『虚構のナチ…
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大杉栄と石川啄木

石川啄木、そして大杉栄、  春三月 縊り残され 花に舞う    大杉栄  朝鮮国に 黒々と 墨を塗りつつ 秋風を聴く  石川啄木    大逆事件、そして朝鮮への植民地支配。対外侵略と 国内での 過酷な弾圧に突き進んだ20世紀初頭の日本。この二人の歌は、 それぞれのポジションで、それぞれその時代の中で、「当事者」 で…
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巣山靖司『勢力均衡論と世界平和』新日本出版社 1985

今回はちょっと台湾から離れて、国際政治学のある文献の紹介です。 ====================================== 巣山靖司『勢力均衡論と世界平和』新日本出版社 1985  巣山氏は1937年生まれで、ラテンアメリカをフィールドにした国際政治学者です。この本は、ウェストファリア条約以降の西洋…
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台湾文学における兵役(陳火泉)

大日本帝国というのは、もうご存じかとは思いますが「五族協和」とか「内鮮一体」、「内台一体」とか、「平等」をスローガンにしていて、実態はものすごい差別的な構造があったわけです。  一言で言うと、本国の臣民ー沖縄の人ー朝鮮の人ー台湾の本島人ー南洋諸島の人、台湾の先住民 というような序列になっていたわけですね。  台湾の先住民…
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台湾軍司令部の日中戦争

市民社会フォーラムにも載せました論説です。日中戦争勃発時の台湾の植民地当局の独自の対応についての論説です・ ======================================  1930年代中葉、日本海軍と陸軍は、南進か、北進かという侵略の路線の違いをめぐって争っ ていた。この頃、台湾はいわゆる文官総督の時代であ…
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植民地と阿片

著名な台湾人作家呂赫若の1943年の作品に「合家平安」というのがあります。なかなか平和そうなタイトルですが、実際かなり壮絶なものです。  ある裕福な家庭がありました。そこの主人が養子をとるんですけど、その養子のことはそっちのけで阿片中毒になってしまうんです。で、阿片のせいで家は傾き、没落します。養子の勧めで主人は阿片をやめて再出…
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初投稿!ーー戦争と産業(西川満)

 はじめまして。noriという大学院生です。戦時下の台湾文学について研究しているので、このブログを主にそのメモに使うこととします。ただ、ふつうの研究メモだったら読んでいてくつうでしょうから、もう少し一般的なネタもはさみながら書いていきます。 では、第一回目、今回はあるファシズム文学者の詩から、戦争動員のやり方などの解明を試みたいと…
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